年収500万円は日本人男性のおおよその平均年収です。結婚しているか否か、居住地が都市部か地方かで、生活レベルや家賃、貯金額が変わってきます。年収500万円世帯の生活の実態に迫ります。所得税や控除金額は?あなたのやりくりは賢い?生活スタイルや節約術を紹介します。
年収500万円は高いのか低いのか?
年収500万円というとどのようなイメージを持ちますか?ある人にとっては金持ちであり、ある人にとっては不十分と感じる、ちょうど境界のような年収金額です。独身か結婚しているか、子供がいるかいないか、住宅ローンか賃貸かで、年収500万円に対する感覚も変わり、その使途も大きく変わるでしょう。年収500万円の生活スタイルや所得税、節約術を徹底解説していきます。
年収500万円超えは圧倒的に男性
現在の日本人の平均年収は約420万円です。ということは、年収500万円は平均を上回っていますが、高いと感じるか低いと感じるかは意見が分かれる金額です。実際、平成28年度の民間給与実態統計調査によれば、男性の平均年収が521万円でした。それに対し女性の平均年収は280万円。年収500万円以上を貰っているのは圧倒的に男性が多いことがわかります。
年収は正規雇用か非正規雇用かでも変わりますので、年収500万円を手にする人はさらに限られていくことになります。業種では電気等インフラ関係や通信事業、金融業、教育業が年収平均500万円を超えています。大手企業役席も年収が高くなり、大手企業のほとんどが本店を都心に置くことから、都心部の方が地方より年収500万円に届いていると考えられます。
年収500万円の所得税っていくら?
所得税の計算方法
年収500万円の場合、手取り金額は約390万円です。手取り金額は所得税や住民税の金額によって変動し、所得税は結婚による扶養家族の増加などで変動します。所得税とは、全体の収入額から非課税手当(通勤手当等)と所得控除(保険料や配偶者控除)を差し引いた金額に、所得税率をかけて計算されます。年収500万円の所得税率は20%で、約21万円です。
独身の場合の計算
一例をあげると、500万円から所得税(約15万)と住民税(約25万)、社会保険料(約62万)が引かれて、実質手取り金額約398万円となります。独身の場合は所得税などをひいた手取り金額390万から400万円となるのが一般的です。労働組合や共済掛金がある場合は、ここからさらに引かれることになります。
結婚後・出産後は計算が複雑に
結婚すると配偶者控除が、子供ができると扶養控除が付きます。結果、手取り金額は独身時代より増えます。具体的には、社会保険料は変わりませんが、所得税と住民税が下がります。住宅を購入すると住宅借入金等特別控除が受けられるので、さらに所得税が下がります。しかし、所得税はそもそも給与があがるに伴い増えるものですから、大幅な削減は想定しない方がいいです。
年収500万円の人々の生活スタイルに迫る!
年収500万円の世帯はどんな生活スタイルか。口コミやツイートなどを参考にまとめました。今回は、「独身」、「夫婦2人」、「家族4人」の場合における、家賃、貯金、生活スタイルに迫ります。また、居住地が都市部か地方かの差にも触れていきます。
年収500万円の独身は大いに余裕あり
年収500万円ということは、賞与2回と考えると月々の手取りが25万円前後ということになります。社会人に成り立てからこの金額を貰う人はそうそういないと思いますが、業種や企業によっては20代後半で手が届く人もいます。家賃や生活に必要な経費を差し引いても、多くの余剰が出そうです。所得税や控除までは考える必要がないときと言えます。
都心でも貯蓄可能
年収500万円で独身の場合、余裕のある生活ができます。よほど高い買い物でない限りは欲しいものは購入できます。持ち物もハイブランドを使う人が多いです。また「海外旅行が仕事の励み」という人が多く、趣味にお金をかけることができます。しかし、都心で働く多くの女性にとって「年収500万は憧れの金額!」とのこと。男性のほうが生活に余裕がありそうです。
地方で実家暮らしなら大きな余裕
地方の場合、一人暮らしでも相当な余裕をもった生活ができます。休日の趣味としてゴルフをする人もいると思いますが、「ゴルフ場の料金が安いから毎週末ゴルフ!」という人も。実家暮らしであれば、家にある程度お金を入れても食費等はほぼかかりませんから、相当な金額を貯金にまわせます。反対に地方の女性の多くは「年収500万円は絶対無理」と感じています。
年収500万円独身の家賃相場は?
家賃相場を考えるにあたってまず頭に入れておきたいことは、都心と地方では相場が大きく違うということです。また都心でも、23区かそれ以外か、23区内の何区かで家賃は大きく変わります。独り身で引っ越せるうちは、大きな貯金の材料になり得ることを念頭に入れておきましょう。
都心部は10万前後
都心部での年収500万円独身者が選ぶ家は、家賃10万円前後が多いようです。部屋もワンルームや1Kよりも広めです。少し駅から離れたりはしますが充分な間取りを確保できます。生活費のほか、交際費や遊興費を除いても貯金ができるよう、8万から10万円の家賃の人が多いようです。
地方は都心の半分!
地域にもよりますが、地方の場合は築浅で利便性の高い場所、かつ1LDKでも家賃は5万~7万ほどで済みます。1ルームであったり、少し古めの物件であれば家賃5万円を切ることも可能です。節約意識や居住空間へのこだわりによって違いますが、地方で年収500万円の人の家賃相場は5万円前後と言えます。
年収500万円独身の貯金は充分な将来の準備
貯金額は、本人のお金の使い方やお金の概念によって変わります。それが最も強く現れるのが独身時代です。しかも年収500万円は生活に余裕のある金額ですから、今を楽しむためにお金を使うこともできるし、将来のために蓄えることもできます。総務省の調査によれば年収500万円世帯の平均貯金額は845万円。30代で到達する人もいるようです。
年収500万円独身まとめ・メリット多し
年収500万円独身者の生活についてまとめると、都心部か地方かに関わらず、贅沢をしすぎない限りはとても余裕をもって生活できるということがわかりました。ある程度希望の住居を選択でき、欲しいものや少しリッチな食事ができ、休日には充実した余暇を過ごせます。それでいて月10万円以上を貯金にまわすことができるという、余裕のある生活スタイルです。
年収500万円「結婚しました」
続いて、結婚して妻が専業主婦、もしくは夫婦共働きで年収500万円の世帯について調べてみました。結婚後の生活スタイルは、独身時代とは微妙に変化が生まれるようです。その大きな要因は保険と貯金の増加。必然的に交際費や遊興費が削られていきます。所得税の仕組みや保険について、自ら深く学びにいく人が多いときです。
都心部は少しずつ節約生活の開始
夫婦二人の支出で大きく増えるのが保険です。夫は万一のための保険を増やし、妻は出産などを想定して女性向けの保険を増やします。反対に支出が減るのが食費です。一人だと外で済ませたり出来合いのものを買うことが多かったのが、家で手料理を食べる生活に変化します。休日はウィンドウショッピングや気軽なカフェを楽しみ、「記念日に贅沢する」という人が多いです。
まだ余裕のある地方組
結婚して保険料が増えるのは地方の場合も同じです。しかし生活にはまだまだ余裕が感じられます。多いのが車の買い替えです。これから子供が産まれることを考え、大きめのファミリーカーを買う人が多くいます。ただ、プチ贅沢を控えるのは地方の夫婦も同じ。「できる限り貯金にまわしたい!」という気持ちが強いようです。
年収500万円の夫婦の家賃相場
都心部夫婦は変化なし?
一般的に、家賃は年収の25%前後が適していると言われています。月の手取り金額が35万ほどだとすれば、やはり10万いくかいかないかくらい。そのため、結婚してもどちらかの家に同居を始めるか、大体同じ家賃を目安に新居を探す人が多いようです。東京23区でも区によって家賃相場が変わりますから、通勤に利便性のある沿線上で安いところを探すようです。
地方は住宅ローンも視野に?
地方の場合、中心地でない限り地区による家賃の違いがほぼありません。結婚して広めの家に引っ越す場合は、その分家賃も上がります。10万円以下でおさえる人が多いようです。さらに、充分な貯蓄を持って結婚したり、年齢が30歳前後の人は、戸建ての検討に入ります。地方はマンション等より「一軒家に住む」ことが一般的なので、結婚は住宅ローン前提という傾向があります。
年収500万円の夫婦の気になる貯金額
ここが一番貯金について考え、できる限り貯金をすべき期間と言えます。年間100万~200万円以上を貯金する世帯が多く、その中でも夫婦で出かけたり、国内旅行をしたりと、充実した結婚生活を送っているようです。将来の子育てや老後を考える人もいて、堅実家が多いです。と同時に、他者の貯金額を見て生活を見直す人もちらほら。少なくとも100万円は目指しましょう。
独身のときと根本的には変わりませんが、もしも都心と地方で同じ貯蓄の努力をしたとしたら、やはり地方の方が貯めやすいと言えます。地方の方がかかるとすれば車の維持費くらいです。物の値段も安いですし、正直遊べる場所が限られるので出費自体少ないです。地方の大きなメリットと言えるでしょう。
年収500万円夫婦まとめ・余裕と不安の狭間
年収500万円で夫婦2人の生活は、まだ余裕がありそうです。と同時に、家族としての現実的な支出が出てきます。この年収でやっていけるのか、子供ができたときに生計が成り立つのか、住宅ローンなどの大きな買い物のタイミングはいつか。そうした将来的な不安、それを解消する計画を考えていく期間になると言えます。その考え方が生活スタイルに顕著に出ます。
年収500万円で子供を育てる
ここでは子供が2人、4人家族の世帯を例にとって考えたいと思います。当然ながら、子供の養育費が支出として増えます。また、特に子供が幼いときには何かと病気をもらいがちですから、医療費もかかります。自治体の助成等をうまく利用することが必要になるでしょう。子供が進学すれば学費も倍増。生活スタイルは夫婦2人のときと大きく変化することになります。
都心部は工夫や節約を駆使
まずは広い家に越す必要が出るので、家賃の支出が増えます。または、マンションや一軒家を購入して住宅ローンの支払いが始まります。子供がいますから当然教育費がかかり、地方に比べ私立の学校が多いため学費も高い傾向にあります。そのため、夫婦共働きという世帯が多いです。休日の近隣の公園を最大限利用し、支出を抑えていました。
地方年収500万円は可能だけど?
地方もやはり、住宅ローンや教育費を抱えながら、夫婦共働きの生活をしている世帯が多いです。一方「服や持ち物のブランドにこだわらなければ専業主婦でも十分可能」という意見もありました。野菜などの値段が都心より安かったり、「米は実家からもらう」という農家のメリットを発揮している世帯もありました。休日も家族で車で外出する世帯が多いようです。
年収500万円家族4人の家賃は?
都心部は買うなら中古住宅
家賃を払い続けるか、住宅ローンを組むかは、よく計算して答えを出す問題です。住宅を購入する場合は何年ローンになるか、継続して働き続けられるか、重要な点になります。その代わり持ち家はカスタムが可能です。家賃であれば住宅手当が出るし、住宅ローンであれば住宅借入金等特別控除が受けられます。都心は中古住宅や中古マンションの購入者が多いです。
地方は新築&オーダーメイド
地方は新築一戸建てを購入する人が多く、土地の広さにもよりますが4千万前後です。ボーナス払いを加味しない場合で月約10万円の返済ですので、ボーナス払いを入れるともっと安くなります。不動産会社選びから始まり、希望をどこまで叶えてくれるか相談し、自分の理想の家を建てます。今は建売やローコスト住宅が増え、3千万以下で購入する人も増えました。
年収500万円家族4人で貯金は厳しい?
結論から言うと、年収500万円の家族4人世帯の貯蓄は、その家々で相当なばらつきがあります。都心に住んでいてもできる人は年間100万円以上貯金しますし、地方でも50万円程度しか貯金できない人もいます。肝心なのは二点です。一つは生活レベルを独身時代から下げられるか、もう一つは「月いくら貯金!」という最初の目標設定をいくらにしているかです。
始めから「毎月5万円貯金」という目標設定にしていると、5万円を差し引いた金額で家計プランを組んでしまいます。これを「毎月10万円貯金」という目標設定にすれば、達成できる否かはさておき、とにかく削れるところを削る家計プランに変わります。達成したらご褒美というルールをつけて、10万円貯金を目指してみてください。
年収500万円4人暮らしまとめ・共働き必須
年収500万円以上の世帯に聞くと、「共働き必須」、「妻もパートで少しでも補填」という意見が多々聞かれました。その理由は、今余裕がないからではなく、将来の十分な貯蓄のためです。老後までを見越している世帯が多かったです。しかし中には、夫婦揃って生活水準を下げることができずカツカツな世帯も。節約可能な点に気づくためにもFPを利用しましょう。
年収500万円の使える節約術
固定費の支出を抑える
固定費の支出削減で最も多かったのは、保険の見直しです。子供ができたタイミングや住宅ローンを組むタイミングに合わせ保険を見直している世帯が多いです。例えば、稼ぎ頭である夫の保険を手厚くする代わりに、妻や子供の保険は県民共済やJA共済を利用し支出を抑えていました。共済であれば、毎年の決算期に割戻金を受け取ることもできます。
贅沢品を買わない
節約で最も多いのは、やはり日々の支出を最小限に抑えることです。食材は割引品を買ってうまく調理することで食費を削減します。服はブランドにこだわらず長く使えるものを買うことで被服費を抑えます。子供のおもちゃはママ友や情報サイトやアプリを活用し、無料で確保していました。そして無駄なものは買わないこと。「塵も積もれば山となる」の精神です。
年収500万円=「幸せ」にするために
年収500万円世帯について、家族の人数や地域別に比較しながらまとめてみました。年収の話になると派生して貯金の話になりがちですが 、貯金が多い=幸せとは限りません。家族で心安く暮らせる家があり、家族揃って出かけられる時間とお金がある、それが何より大切ではないでしょうか。節約がストレスな場合もあります。自分たちにあった生活スタイルを作り上げましょう。