資産運用目的で外貨預金を利用している方も多いのではないでしょうか。
メリットも多いですが、損失リスクを含んだ商品であることを理解しておくことは重要です。今回は外貨預金のメリットとデメリット、利用方法について解説をしていきます。
外貨預金とは
今回は外貨預金について解説をします。そもそも外貨とはなんでしょうか。日本円が邦貨などと呼ばれるのに対し、外貨は日本国円貨以外の国外で利用されている通貨のことを言います。日本国でも外貨を所有することができ、資産運用目的で利用する方が多く存在します。外貨預金で資産運用をすることのメリットなど特徴について紹介します。
外国通貨で預金をすること
外貨預金とは、外国通貨、いわゆる外貨で預金をすることを言います。日本の銀行でも外貨用口座を開設することができます。地方の小さな銀行や信用金庫などでは取扱いがないこともあります。大手都市銀行ならほぼ取扱いがありますが、支店によっては外貨扱いができないところもあります。
外貨口座を持つことで得られるメリットとデメリットを十分に理解して、運用を開始する際にはリスクの存在と特徴をつかんだうえで運用するようにしましょう。
外貨預金のメリット
外貨預金を利用することのメリットについて解説します。外貨預金を利用すると、日本円の口座では得られないメリットを享受することができます。現在日本円口座で資金を置いておいても全くうまみがないので、外貨預金の口座を開設して運用する方が増えてきています。デメリットも理解してうまく運用をしましょう。
メリット①円高時に為替差益で儲かる
外貨預金を運用するメリットの第一として、円高時に外貨を購入して円安になってから円に換金することで、為替差益を得られる点が挙げられます。外国通貨と日本円の間には外国為替相場の変動が時々刻々と怒っています。円高局面で多めに外貨を購入し、円安になったタイミングで売り払うことで大きな利益を上げることができます。
ただ、この点はメリットと同時にデメリットにもなります。外貨を購入してから円高になった場合、逆に為替差損を被ってしまう結果となります。相場の局面を十分に読み込んで運用をすることが肝要と言えます。
メリット②金利が高い
外貨預金を運用するメリットの第二として、日本円口座に比べて金利設定が高い通貨が多いことが挙げられます。日本円口座では、現在相当低い金利で預金利息が受領出来ますが、以前に比べて相当金利が安くなってしまっています。
外貨口座の場合、保有する通貨にもよりますが、金利収入をもっとたくさん得ることができることになります。特に新興国の金利が高く設定されていて、保有しているだけでたくさんの金利を外貨で受け取れるというメリットを享受できます。
メリット③経済情勢に詳しくなれる
外貨預金を運用するメリットの第三として、経済情勢に詳しくなることができるという点が挙げられます。外貨預金口座で資産運用をする際にもっとも考えるべきは為替相場の動向です。為替相場は、経済的な要件により大きく影響を受けるといわれてます。
特にアメリカの雇用統計など指標の発表の際には大きく相場が変動することが多いです。経済情勢をつかむことで、将来的な為替相場の変動を予想して大きく為替差益を狙える可能衣性があります。
外貨預金のデメリット
ここまで、主に外貨預金を利用するメリットについて紹介してきましたが、もちろんメリットだけではなくデメリットも存在するのが投資商品というものです。外貨預金にはどんなデメリットが存在するのでしょうか。メリットとデメリットを両方理解したうえで、外貨預金を利用して投資をするかどうかを決めるようにしましょう。
デメリット①為替手数料が掛かる
外貨預金を運用するデメリットの第一は、為替手数料がかかる点です。日本円の通常の預金だと、入出金に手数料は基本的にかかりません。(時間外にATMを利用する際には手数料がかかりますが、時間内なら基本的には無料です。)
しかし、外貨預金では円換算をする際に為替手数料が発生しています。具体的には、円資金で外貨を購入して外貨預金口座に入金する場合と、逆に口座にある外貨預金の金額を円換算して出金する際には換算レートが異なります。たとえば米ドルの場合は両者の間で2円の差があります。これが実質的な為替手数料になり、利用者の負担となっています。
デメリット②元本割れのリスク
外貨預金を運用するデメリットの第二として、元本割れのリスクがある点です。外貨預金に預けられている外貨の金額は保証されていますが、その外貨額は常に為替リスクにさらされていることを忘れてはいけません。
例えば、米ドル100ドルを外貨預金口座に入金した際の換算レートが110円だったとして、これを出金する際のレートが円高の100円だった場合は、1ドルあたり10円の損失を被ることになります。銀行預金だからといって、元本を保証されているというわけでないという点は十分に理解しておくべきです。
デメリット③カントリーリスク
外貨預金を運用するデメリットの第三に、カントリーリスクというものが挙げられます。これは、特に金利が高く設定されている新興国通貨において気を付けるべきデメリットです。国家の経済不安定性や紛争などによる国家の安全性の面で為替相場が大幅に変動してしまうリスクのことです。
場合によっては外貨預金に保管している資金が価値のないものになってしまうこともありえます。外貨預金を利用する際は通貨を扱っている国家の政情についてもある程度理解をしておくことが重要になります。
外貨預金の始め方
外貨預金の運用について、メリットとデメリットを理解したうえで利用すると決めた場合は、外貨預金口座を開設して資金を投入する必要があります。ここでは、口座開設をする上で考えるべき事項や、改めて外貨預金のデメリットについて理解を深め、賢い資産運用ができるように必要な知識を紹介します。
知識をつける事が必須
外貨預金を開始する前に、外貨を扱うということについての知識を十分に備えておくことをお勧めします。外貨を扱うということ自体にリスクがあるということを十分に理解しておくことが必要になります。
日本円の銀行口座のお金のように、預けていたら安心というわけにはいかないのが外貨預金です。常に外国為替相場の変動リスクをはらんでおり、保有外貨額に差はないものの、円換算における価値は日々変動しています。現在どれくらいの含み損益があるのか常にチェックしたり、通貨ごとの変動の特徴についてあらかじめ理解しておきましょう。
口座の開設をする
あらかじめ外貨預金に関する知識を十分に得て、外貨預金を開始することを決めた場合は、まずは銀行に申請をして外貨預金口座を開設する必要があります。これは、金融機関ごとに手続き方法には差があるので、指示に従って手続きを進めていくことになります。
外貨預金口座開設には一定の時間が必要になります。申請をしてから1週間程度で開設できる金融機関もあればもっと時間がかかるところもあります。もし申請に不備があれば金融機関から連絡を貰うことができるので安心です。
外貨預金はFXがおすすめ
正確には外貨預金とは同じものではありませんが、外貨預金と同様の運用をすることができる投資商品として、FXがあります。FXとは、外国為替証拠金取引のことで、異なる2つの通貨の間で変動する為替相場を予想して為替差益を狙いに行く投資商品になっています。FXは利用者がとても増加している人気の投資手法となっています。
外貨預金と同様、FXにはスワップポイントといわれる金利と同等の制度があります。金利の高い通貨を保有していると自動的にたまっていくもので、感覚的にはほぼ金利と同等の扱いをすることができます。これに加え、FXには外貨預金にないメリットがあります。
FXは取引時間を選ばない
FXでは、24時間いつでも取引をすることができます。全世界でどこかの外国為替市場がオープンしているので、取引は24時間可能になっています。常に為替相場は変動しているので、24時間利益を獲得するチャンスがあるということになります。
相場のチェックはもちろん24時間可能なので、例えばサラリーマンの方が本業を終えてから夜間に相場チェックから売買注文を実施することも可能になっているので、外貨預金に比べて汎用性が高い投資手法と言えます。
円高局面でも利益を得られる
外貨預金における為替差益は、円高局面で外貨を購入し、円安になることが必要になります。しかし、FXでは円安から円高の局面でも利益を確保することができます。FXでは売り取引というものがあります。円安局面で売り注文を行ない、円高になってからそのポジションを解消するという取引になります。
こうすることで、円安局面で取引した相場と円高局面で解消した際の相場の差を為替差益として受け取ることができます。ただ、この取引をした場合、金利が高い通貨を保有しているとスワップポイントがマイナスになり、負担になることがある点に注意しましょう。
レバレッジを効かせた取引ができる
外貨預金とは異なり、FXは証拠金取引と言う性質を持っています。これは、保有資金の一定倍率の通貨を扱うことができることになります。たとえば、10倍のレバレッジを効かせる証券会社の場合は、1万円を投資資金に用いるとその10倍の10万円相当の売買をすることができます。
これにより、少額でも高い利回りを実現することができる可能性があります。しかしこれは逆に、予想する相場と反対の相場繊維となれば大きな損失を被る危険性もある点を理解しておきましょう。
自分に合った通貨を見つけよう
外貨預金の代わりにFXを利用して運用をする際には、まず自分がメインで取引する通貨ペアを決めることをお勧めします。通貨ペアごとに為替相場の値動きに特徴があります。円高になるか円安になるか、先の相場を予想して売買をすることが肝要ですので、パターンを読み先見の明を持って取引に当たることが重要です。
そのために、まずは値動きが自分にとって読みやすい通貨ペアを決めましょう。外貨預金の代わりにリスクを軽減して取引をしたい方には、あまり円高円安との値動きが大きくない安定的で金利が高い通貨ペアを選択するなどの考え方もあります。
外貨預金の注意点
これから外貨預金を利用して資産運用をしようと考えている方に気を付けてほしいポイントを紹介します。外貨預金をする方で、外貨預金に感じている魅力としては、やはり金利の高さだと考える方が多いのではないでしょうか。この金利の高さを過剰にアピールした商品が横行しているので、注意が必要です。実質の利益を理解して取引をしましょう。
外貨預金の高金利キャンペーンに注意
外貨預金の商品を勧める金融機関の中で、極端に金利が高く設定されている場合があります。これは期間限定のキャンペーンであることが多く、短期間のみ極端に金利を上げて集客を図り、その後はありふれた金利になってしまうという手法です。
目先の金利の高さに惑わされることなく、その商品を利用して総合的に獲得できる利益の大きさを試算してみることが重要です。金利は月ごとに算出されますが、数ヶ月のみの高金利設定だとあまり利益を得られないことが多いです。
外貨口座の積立方式を利用する
外貨預金は、どうしても為替相場の変動リスクを受けるため、元本割れリスクなどデメリットもあります。そこで、少しでも為替変動リスクを抑えるための方法を利用したいと考えるのは当然のことです。現在いろんなリスク軽減手法がありますが、その中でポピュラーな考え方である積立方式の採用について解説します。
ドルコスト平均法を採用する
外貨預金を積立方式で利用することで、購入時の為替相場が平準化されることになります。これをドルコスト平均法と言います。外貨を購入する資金がまとまってあったとしても、それを少しずつ活用して購入していき、購入のタイミングを定期的に行なっていくことで相場の変動に対して平均的な相場を保有することができるという考え方です。
FX運用ならさらに効果的
この外貨預金におけるドルコスト平均法の手法をFXで利用するとさらに効果的です。少ない資産でもまとまった金額の外貨を購入することができ、なおかつ通貨ペアによって高い金利を得ることができるので、資産運用の手法としては大変お勧めできるものです。もちろんリスクがなくなるわけではありませんが、効率よく資産運用できる手法の一つです。
外貨預金は日本金利に比べて儲かりやすい
ここまで、外貨預金を利用するメリットとデメリット、関連している投資手法であるFXについて、さらに外貨預金運用の際に気を付けるべきポイントなどについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。どんな金融商品にもメリットとデメリットがあるので、それらを十分に理解して自分に合った投資手法かどうかを判断しましょう。
外貨預金の最も大きな魅力は、やはり日本円の銀行預金ではもはや得ることのできない大きな金利ではないでしょうか。ただ、高い金利だけに執着して全体を見ずに安易に運用を開始してしまうのは危険です。
金利の高さに合わせて、その通貨のリスクの高さ、一時的に高いだけではないのか、全体的に利益が見込めるのか、といった総合的な視点で商品をチェックすることで、後で後悔することのないように慎重に利用する商品を検討しましょう。